日本学術会議の新会員候補の内六名が菅首相から任命を拒否された。中には私の好きな加藤陽子教授も含まれている。六名はかつて政府の提出した法案への反対意見を述べたそうで、それが原因ではないかと言われている。
今度のオリンピックの標語「感動で私たちは一つになる」もそうだが、日本人は反対を嫌い何でも一つになる事を好む。全員が同じ、と言うと何だかナチスの党大会の様子を思い浮かべてどうも気持ち悪い。そういえば全員同じは悪い事だと考える人達がいた筈だ。確かユダヤ人だったか。そうだ、イザヤ・ベンダサン著「日本人とユダヤ人」だ。その第六章「全員一致の審決は無効」に詳しく述べられている。「その決定が正しいなら反対者がいるはずで、全員一致は偏見か興奮の結果、または外部からの圧力以外にはあり得ないから、その決定は無効」と。少数の反対意見は正しさを補強すると言う考えで、政府はむしろ反対意見を歓迎し、それに謙虚に耳を傾ける度量を示して欲しい。
全員が一つにならないといけない時があるとすれば外敵と戦っている時だろう。感染症との戦いとか戦争とか。その時は内部の意見対立はあっても少なくとも外向けには全員一丸となって事に当たるべきだ。アメリカの女優ジェーン・フォンダはベトナム戦争の最中ハノイへ行ってアメリカ軍機を撃墜するために設けられた高射砲に座り、北ベトナム軍のヘルメットを被ってポーズをとったそうだが、どうしてもそうしたいなら国籍を北ベトナムに移してからにすべきだった。戦争反対を叫ぶのと敵方を鼓舞するのとでは訳が違う。
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