多くの民意が五輪開催に疑問を投げかける中、IOCのごり押しに屈して五輪開催を強行しようとしている政府の姿勢にどこか既視感がありはしないか。そう、現在大河ドラマで進行中の幕末の様子に似ている。あの時は幕府が外圧に負け天皇の勅許も得ないまま開国に関する条約を結んだ事に憤慨した志士たちが尊王攘夷の声を挙げ、それはいつしか倒幕運動に発展した。IOC幹部たちがいつまでも日本国民の民意を無視した傍若無人な発言を繰り返していると、その内「尊民攘夷」の運動が起きるのではないかと心配になる。
しかも夷狄の要求は幕末の時よりもっとひどい。幕末に黒船が要求したのは自国の捕鯨船に対する食糧や燃料の供給をして欲しいという事に過ぎなかったのに、今回表向きは選手に活躍の場を与えたいと言いながら、自分らの金儲けが主たる目的なのが透けて見える。IOCのあの強気な発言の裏には一体何があるのだろう。
日本を代表してIOCと交渉している人達はちゃんと国内の事情を説明しているのだろうか。五輪は平和の祭典と言われる。謂わば一種のお祭りだ。お祭り気分で平時を忘れる事も一つの目標だろう。前の東京大会の閉会式で雪崩れ込んだ選手団が日本の旗手福井選手を肩車したあの光景こそ、五輪の真骨頂に思える。だが現在、集まってお酒を飲むこともままならず、ましてやお祭り気分なんて。仮に緊急事態宣言が解除されたとて、この状態はあと数か月は変わらないだろう。まさかIOCファミリーだけがお祭り気分で浮かれようという訳でもあるまい。
日本は「おもてなし」を大切にする国だ。しかし同時に相手の立場を斟酌する「おもいやり」も大切にする。「おもいやり」に欠ける人は「夷狄」と呼ばれる事を覚悟しないといけない。
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