「コロナ禍 少子化加速」と新聞に大きな見出しが載った。コロナ禍で在宅時間が増えれば子作りに励む人が増えても良さそうなものなのにと思うのは時代の流れに乗っていない証拠なのだろうか。記事によれば感染拡大による先行き不透明感のせいだそうだ。と言うより、子作りに有利な環境になっても少子化が止まらない程事態が深刻だと考えるべきだろう。同じ日の夕刊には去年行われた国勢調査の報告が載っていて、日本の人口は二回連続の減少となったとか。
人口減少の傾向は世界的なもので、一番深刻なのは韓国らしい。出生率が0.8と三年連続で1以下となり、このままでは2100年までに人口が半減し、将来的には国が消滅する恐れがあるとか。あの中国ですら少子化対策を迫られる有様で、かつては人口爆発による食糧不足が心配されたが、今は急速な少子化という逆の心配をしなくてはいけないらしい。つまり労働力人口の減少とそれによる経済の停滞だ。国の膨大な借金は経済が将来的に漸次拡大する前提で成り立っているのだから、その前提が崩れれば確かに心配だ。
しかしどうだろう。経済がこれ以上拡大しない世界もありではないか。経済は基本的に便利さと快適さを求めて進歩してきた。お伊勢参りは歩いて行ってたのが、新幹線ですぐ行けるようになった。冬の寒さ、夏の暑さはエアコンで快適になった。これ以上何を望む事があろう。月や火星へ行けなくなるかも知れないが、月は中秋の名月を酒と共に愛でる程度で丁度良い。
人口が減少すれば環境問題も自然に解決する。これ以上の快適さや便利さは諦めなければいけないかも知れないが、自然豊かなスローライフはむしろ幸せをもたらすような気がする。そうした皆が穏やかに暮らす幸せな世界を生きている内に見る事が出来ないのが残念だ。いや、経済縮小によるカタストロフィーを見ずに済む事を喜ぶべきか。
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