「私は五輪の主催者ではない」と首相は仰る。確かにそうだ。総理が主催し、国を挙げてやるというのなら仕方ないが、どこかの任意団体が主催するイベントにどうして国民がリスクに晒されねばならないのだろう。もしグローバルに事業を展開する某大企業が国内外から社員を集めて大運動会をすると言ったら、国はそれを許可し支援するのだろうか。
「IOCから開催準備について高い評価を得た」と組織委員会会長は仰る。先生に褒められた事を家に帰って自慢する小学生のように。我々が知りたいのは開催に向けてIOCの準備と覚悟だ。参加人数は必要最小限とし、目的が明確でない人は排除した上で各員の渡航目的にそった行動計画を立て、その計画から外れた行動を取った場合は即刻国外退去とする。行動ルートを明確にし、ルートに沿ってより確実な感染対策をするためである。というような声明をIOCが出してくれたら、「開催に向けてのIOCの覚悟を高く評価する」と言えるだろうに。
「G7では各国首脳に五輪開催についての理解を得る」と首相は仰る。日本国内の民意がやりたがっているのに、日本が感染危険地域だから海外選手が行きたがらない状況なら海外首脳に理解を得る事も必要なのだろうが。世界の中での日本での感染状況はある人曰く「さざ波」程度で、海外からやってくる人達による国内感染の拡大を心配している状況では理解を求めるべき相手は外国首脳ではなく、リスクに晒されようとしている国民であろう。そちらに対しては「安心安全な大会を目指す」と空念仏を繰り返し、一体どのような言葉で海外首脳から何の理解を得ようと言うのだろうか。
もし今度の五輪の開催地が感染の激しいインドやブラジルであったならIOCはどんな態度で臨んだのだろうか。
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