2021年8月24日火曜日

ガッツポーズ

 白鵬は勝った後土俵上でガッツポーズを取っては顰蹙を買っている。何度注意されても直らないのは本人が「勝って喜びを表現するのが何故悪いのか」と思っているからだろう。

そもそもガッツポーズとは何か。それが和製英語らしいと言う予測は立つが、ネットには「喜びのポーズの1つ。 拳を握り、両手もしくは片手を掲げる事で表現され、スポーツなどで勝利した時や、良い成績を残した時によく見られる。」とあった。なるほどと思いながら大事な事が抜けているような気がした。

それは手首と肘の位置関係だ。ガッツポーズは、コブシを高く突き上げる時にしろ、腰のあたりで肘を曲げて小さく「よし!」と言う時にしろ、常に手首は肘より上にある。この手首が肘より上にある事がガッツポーズの必要条件だと思うのだ。

二十年前、貴乃花が右ひざの故障を押して千秋楽に出場し、武蔵丸を投げ飛ばした後、鬼の形相を見せた。両手に力を入れて「どうだ!」とでも言わんばかりのあの動作をガッツポーズと思った人はいない。それは手首が肘より下にあったからではないか。

ボクシングのファイティングポーズを見れば良く分かるように、手首を肘より上にするのは攻撃の姿勢である。バトミントンではサーブを打つ際、手首は肘より下にないといけないというルールがある。サーブを攻撃的に使う事を禁止しているのだ。

ガッツポーズがはしたないとされるのは、負けた相手に更に攻撃の意思を示しているからではないだろうか。では五輪の柔道で阿部詩選手が金メダルを決めた瞬間見せたガッツポーズはどうか。白鵬のガッツポーズに眉をひそめた人も、阿部詩選手のガッツポーズには素直に喜んだのではないだろうか。柔道とガッツポーズの関係についての考察はまた別の機会に。

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