あれだけの不祥事がなければ興味も持たなかったろうが、本当に久しぶりにオリンピックの開会式を見、そして57年前の記憶を蘇らせた。あの時は古関裕而のマーチに合わせて各国選手団が整然と誇らしく入場するのを見て感じた気持ちの高鳴りが強く印象に残っている。あの清々しい高揚感が残念ながら今回はなかった。私が年を取ったせいなのか、日本が年を取ったせいなのか。
ブルーインパルスもかつて程の輝きがなかった。あの時の空はアナウンサーが「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような」と表現したほど雲一つない秋空で、それがあったればこそ五輪の輪が全て大空に現れたが、今回は残念ながら雲がそれを阻んだ。そして風が強かったせいか、飛行機が一周して輪を描き終わる前に初めの頃の噴煙が風に流され崩れてしまった。57年前のブルーインパルスの妙技は操縦士の技術は勿論のこと、気象条件の全てが見事に揃わないと実現しなかったまさに奇跡の演出であったのだ。
競技が始まり、見事な成果を残す人、期待されながら残念な結果に終わる人、様々だが、選手本人よりその親御さん達の気持ちが気になって仕方ない。57年前には思わなかった事だ。立派な成果を出した人の親の嬉しさは言わずもがなだが、武運つたなく成果を出せなかった人の親御さんはどんな気持ちだろう。落胆する本人以上に親御さんは辛いだろうし、辛さの反面今まで努力を続け必死で頑張ってきた我が子を労わる気持ちも強いだろう。そういう人達にこそ今後の幸あれと祈らずにはいられない。
そして57年前にはなかったものの筆頭がコロナ騒動。「カンセン拡大」が「感染拡大」でなく、「観戦拡大」であったら良かったのに。
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