2021年11月9日火曜日

天国

 幸福について色々考えている内に「天国」という言葉を思い出した。天国こそまさに幸福を保証する場所ではないだろうかと。

イスラム過激派によるテロが起きるたびに、彼等はジハード(聖戦)を行った者は天国に行けると信じているからこそあのような自爆テロを敢えて実行するのだ、と解説される。コーランを直接読んだ事はないが、解説書によれば彼等が憧れる天国の様子が次のように書かれているらしい。

「彼等(この世において信仰し,善行に励んだ人達)はそこで,こんこんと湧き出る泉のほとり,緑したたる木陰で,うるわしい乙女にかしずかれ,たくさんのおいしい食物や酒や飲物を心ゆくまで味わい,なんの気遣いもない生活を送る。」

お酒を禁じているイスラム教も天国なら許されるのかちょっと気になるが、「こんこんと湧き出る泉」や「緑したたる木陰」などはいかにも砂漠の宗教である事を感じさせる。アラビア半島の荒涼たる大地を一度見たら、それらを切望する気持ちが分かる。そして何より気になるのが「うるわしい乙女」だ。自爆テロの実行犯には時々女性もいる。彼女らも天国ではうるわしい乙女にかしずかれる事を夢見るのだろうか、それとも優しいイケメンが脳裏に浮かぶのか。

さて、そうした天国は本当に幸せなのだろうか。折角そうした環境にいながら、飽きてしまったのかそこから逃げ出した人がいる。浦島太郎だ。彼がいた竜宮城はまさに美酒美食美女に囲まれた世界だった。だがそこも一週間や十日ならともかく何か月も続くと退屈になるのだろうか。貧しくとも村の仲間との交流が恋しくなって浦島太郎は竜宮城を辞した。

いや白髪になるまでそこにいたという事は何十年も飽きる事がなかったという事を示しているのだろうか。

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