2023年4月4日火曜日

マスク

 二週間程前、中国の習近平主席がモスクワを訪れ、プーチン大統領と長い会談を行った。その成果を二人で発表するニュースを見て笑ってしまった。正面の立派な机に二人が並んで座り、それに向き合う形で右側にはメドベージェフ、ラブロフをはじめとするロシア政府の重鎮が、左側には王毅、秦剛など中国政府の重鎮が、先生の話を聞く生徒よろしく神妙な顔つきで座っている。その中露政府関係者の様子がちょっと変なのだ。というのはロシア側は誰もマスクをしていないのに、中国側は全員がマスクを着用している。これは一体どうした事だろう。

厳しいゼロコロナ政策を取っていた中国も最近はついに音をあげウィズコロナに舵を切った筈だ。自分らが保菌者かも知れないのでうつしたら悪いと思ってマスクしたのか、それともロシアでは菌が蔓延していると思っての事か。一方のロシアは国内の総べての資源をウクライナに投入するためマスクを調達する暇もなかったのか。ともかく全員が同じ行動を取ったのはトップからの強い指示があったからと見るのが自然だ。強権国家の面目躍如と言ったところか。

両国とも欧米の価値観に反発し、欧米型の民主主義だけが民主主義ではないと息巻いているが、民主主義を標榜するなら少しは個人の自由に配慮しているフリでもしたらどうだろう。自由が尊重されている社会ならマスクの着用についても多様な考えがあり、着けている人着けないがバラバラになって然るべきだ。10時間以上にも及ぶ長い会談では自国を民主国家とカモフラージュするためマスク着用者を乱数的に配置するなんて議案はなかったのかな。

かと思うと極東の某自称民主国家では政府からの指示がないとマスクを着けるかどうか判断できなくて困る、なんて言ってる国もあるしなあ。

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