自民党のパーティ券売上キックバック事件ではキックバックの金額が500万円以下の場合は処分の対象から外すという判断がなされた。処分されてる人も沢山いて、それが悪い事であるとの認識はあるようだから、やった事が悪い事ではあっても、その金額が少ない場合には許してあげよう、という事らしい。
実は似たような判断が最高裁判決として出された事件がある。「葉煙草一厘事件」と呼ばれるのがそれで、栃木県の農家の男性(当時63歳)が自分が栽培した葉煙草一厘分(一厘は一円の千分の一)を自分で吸ってしまったため、本来大蔵省専売局に納付すべきものを横領したとして訴えられた。一審では無罪、二審では罰金10円の有罪、最高裁で無罪が言い渡された。違法な行為であったとしても実害がほとんどなく微細な所為であれば罪には問えないというのがその判決理由だった。
事件が起きた明治42年の貨幣価値がどの程度であったか、詳しい資料がないのだが、仮に当時の1円が今の1万円に相当するとして、男性が横領したのは今の価値にして10円程度だったと思われる。10円をはした金と呼ぶのは、1円たりとも無駄にしたくない私にとってはなんとも気まずい事だが、人を罪に問う重要性に鑑みれば敢えてそれも許されるかも知れない。
だが、500万円は如何なものか。庶民にとって500万円はゆうに一年が暮らせようかという大金だ。だが自民党の先生方にとっては罪を問うには値しないはした金のようだ。
そうした金銭感覚や、宴会に露出の多い女性を呼んで浮かれ騒いだりしている姿を見ると、政治家がお金に困っているとは到底思えない。政党交付金は政治にはお金が必要で、政治家がお金に困っているという前提で作られた制度だ。制度の見直しが必要ではないだろうか。
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