2024年4月2日火曜日

塞翁が馬

 人間万事塞翁が馬。水原一平氏の賭博騒動の報に接した時、真っ先に浮かんだ言葉がそれだった。

球界のスーパースターである大谷選手の専属通訳になるという僥倖がなければ、数億円もの借金を背負い込むと言う不幸に見舞われる事もなかったろう。水原氏が普通のサラリーマンだったら、胴元も回収不能なほどの賭けを許すはずがない。

大谷選手の会見を見て残念だったのは金の動きに関しての言及が全くなかった事だ。どうして水原氏があれだけ巨額の金を動かす事が出来たのか、それについて皆が納得する説明があったらあの会見は完璧だった。それを言わなかったのは、弁護士からの指示で敢えてそうしたのか、まさか大谷選手側に何か後ろめたい事がある訳ではなかろうが。

普段から車を買ったり家賃を払ったりの実務を大谷選手は代理人に任せていたのだろうから、その代理人が彼の口座からお金を動かすのは可能だったろうが、それにしても送金の実務を行う銀行に何らかの抑止能力はなかったのだろうか。

数年前山口県阿武町で起きたコロナ給付金の誤送金事件の時も思ったが、あの時も町からある特定の個人に数千万円ものお金が振り込まれる不自然さに銀行が気付き、送金元の町に確認を取っていれば防げた筈だった。今回の送金についても銀行は送金先の口座が不動産取引であるとか、金額に見合うそれ相応のものである事の確認や、より厳格な本人確認は行わないものなのか。顧客の利益を守るためにそれ位の事をしても良いだろうに。

水原氏は大谷選手の結婚を公表よりずっと前に知っていたのだろうが、水原氏からその事実が漏れる事はなかった。その事からも大谷選手の彼への信頼が伺える。そんな信頼を裏切られてしまった大谷選手、だがこれも塞翁が馬として次の幸運につなげて欲しい。

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