数週間前だったが、バイデン大統領が資金集めのパーティを開いたという記事を見た。11月の大統領選挙を控え、支持率低迷に苦しむバイデン氏を応援するため、オバマ、クリントンの二人の元大統領が応援に駆けつけ、一晩で39億円を集めたという。その金額の大きさにも驚くが、そうした収入の額を堂々と公表して憚らない風土にも驚く。日本で政治家が資金集めのパーティを開いたとしても、その収入総額がいくらになったかなど、決して報道される事はないだろう。
記事にはチケットの料金も書いてあって250ドルから50万ドルだそうだ。1ドル=150円で換算すると3万7500円から7500万円だ。家を一軒買ってもおつりが来そうな金額を出そうという人がいるのも驚く。しかも会場の様子を見ると、特に食事や飲み物が用意されている訳でもなく、政治家の演説を聞くだけのように見える。そんな事を日本でやれば、やらずぼったくりだと週刊誌に叩かれるに違いない。
政治とカネの関係についての感覚が日米でこうも違うのはどうしてだろう。そもそも日本人はカネについて言及する事を卑しい事だと思っているフシがある。自然災害や各種事故における個人の損害額やその補償について具体的な金額が表に出たのを見た事がない。
テレビコマーシャルにも日米のカネに関する感覚の違いが現れている。アメリカでは多くの場合その製品の価格が表示され、それが如何にお買い得かが強調されるのに、イメージ重視の日本のCMでは値段を言うのはタブーのようだ。
ユダヤ教の教えに「カネは無慈悲な主人であるが、同時にこれほど優れた召使はいない」というのがあるそうだ。主人なのか使用人なのか友人なのかはたまた悪しき隣人か、日本人もカネとの付き合い方を見直したらどうか。
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