2015年6月2日火曜日

PAZ

PAZという言葉をご存じだろうか。UPZは?実は私も「東京ブラックアウト」という本を読んで初めて知った。
この本は当コラム374回でご紹介した「原発ホワイトアウト」の続編として書かれたものだ。仮想の新崎原発での事故が日本を混乱に巻き込む様子が描かれている。安全なはずの原発がテロによって電源を喪失し、何より周辺住民の避難計画のずさんさが被害を拡大するという筋立てだ。
PAZとはPrecautionary Action Zoneの略で予防的防護措置を準備する区域、原発施設から概ね半径5kmを意味する。UPZUrgent Protective action Planning Zoneの略で緊急防護措置を準備する区域、原発施設から概ね半径30kmを意味し、島根原発から見ると出雲市の中心部は十分その中に含まれる。帰省して何人かにこの言葉を知っているか尋ねたが、知っている人は一人もいなかった。出雲市の人達はもし島根原発に万が一の事が起きた時の腹積もりは出来ているのか。
原発の再稼働に当たって、原発施設そのものの安全性を確認するのは当然の事として、万が一の事故の際の対策が十分な現実性をもって用意されていないといけないはずだが、それは大丈夫だろうか。周辺住民の殆どが用語についてすら知らない状況を見ると「東京ブラックアウト」の想定をあながち否定できない。
この筆者は多分に世の中を斜めに見ている感じで、この本の中でカベノミクスを推進する加部総理については「大学受験や国家公務員試験の洗礼を受けたことのない四世の加部が」とか「政治家四世の血筋で、父や祖父に比べて勉強の出来が悪く、その劣等感の裏返しとして、周辺諸国に必要以上に虚勢を張る夜郎自大的な総理にとっては」と言った調子で語られる。
原発対策の実態が周辺住民の安全を十分考慮したものである事を願うばかりだ。

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