2018年5月1日火曜日

福田の不思議


財務省の福田前事務次官の処分がようやく決まったようだ。
この事件、とても不思議だった事の一つがどうして財務省が個人のスキャンダルにこうも肩入れするのかという事だった。普通の会社の場合どうか。社員が満員電車の中で痴漢の疑いを掛けられた時、当該会社は顧問弁護士を立ててまで社員の身の潔白を証明しようと努力するだろうか。仮にそれが冤罪だったとしてもその証明は全て個人に委ねられる。百歩譲って会社が社員の冤罪を晴らそうとする場合があるとすれば、その会社が個人所有で、当該被疑者がそのオーナーであったというような場合だろう。だとすると財務省の今回の対応はまるで財務省が事務次官の個人所有の組織であるかのようなものだったと言わざるを得ない。
福田氏の対応も不思議だった。身に覚えのない痴漢の疑いを掛けられた者は、自分の持っている情報を総動員して身の潔白を証明しようとするのが普通だ。「全体を見れば分かるはずだ」との発言は、自分が持っている情報を全て曝け出せば真実が明かされ、疑いは晴れるはずだ、という意味に取れる。ならばどうしてそれを実行しようとしないのか。こんな事を言って、それを実行しないのは自分が黒だと言っているに等しいではないか。頭が良いと言われる人がそんな簡単な理屈も分からないはずはないのだが。
福田氏に聞いてみたい。相手が片山さつき氏でも同じような言葉を掛けましたか、と。福田氏は若い頃同期入省の片山氏に興味があったらしいと週刊誌は報じている。カトリーヌ・ドヌーブではないが、男性が女性に対し性的魅力を感じる事を一律に否定する気には私はなれない。福田氏が批難されるべきはその言葉が性的であった事以上に(下品さは別にして)、相手に対する敬意の欠如と立場を不当に利用した事にあると私は思う。

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