2021年12月14日火曜日

ナビ

目的地までの道路を的確に案内してくれるナビゲーションシステム(以下ナビ)は今やタイヤやハンドルなどと同じくらい車にとって必須な構成部品ではないか。十年以上前の古いナビである地方都市を訪ね、改めてそう実感した。

初めて行く町を観光する時はまずその市役所を目指す事にしている。地方で市役所と言えば大体一番大きな建物で良く目立つし、駐車場も充分に用意されている。そこでその町の観光地図を入手して、どこをどう回るか作戦を立てようと言う算段である。

その日も市役所をナビに設定して出発した。ところが、目的地周辺に近づいてもそれらしき建物が見当たらない。近くにいた人に尋ねると「市役所は移転しました」というのだ。跡地には新しい建物が建っているからそれ程最近の事でもないのだろう。それを私のナビは知らなかった。観光を終えて、予約したホテルに行こうと電話番号を打ち込んだら「その番号は登録されていません」とナビは言う。驚いてホテルに問い合わせると「当ホテルは三年前に出来たばかりで古いナビだと登録されていないかも知れません」。住所も恐らく分筆したせいだろう、番地がナビに登録されてない。そもそもこの町に来るまでの高速道路をこのナビは知らなかった。紙の地図を頼りに自力で運転する事の何と疲れる事か。

車の部品が使用に耐えられるかどうかをチェックするために車検という制度がある。ナビも車検の対象にしなくて良いのか。今後自動運転の車が増えるだろう。その際、ナビが最新情報を持っていなかったら一体どうなるのだろう。道路は新しく作られる。建物だって移転も解体もするだろう。欧州なら国をまたいだ移動だってある。それらを網羅するのは可能なのか。自動運転車は知らない町へは行けないのだろうか。 

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