2023年1月24日火曜日

大河ドラマ:トライアングル第801回

 今年のNHKの大河ドラマの主人公は徳川家康だそうな。またか、と若干食傷気味である。視聴率を上げたいためだろう、他の番組でもそれを紹介するような放送をしているのが余計気に障る。大河ドラマの題材になり得る、海外にも誇れる偉人が他にも沢山いそうなものなのに。

その国の歴史の深さとは、どれだけの偉人を輩出してきたかによって測られるのではないか。他の国の歴史にそれほど詳しい訳ではないが、ローマの五賢帝とか中国四千年の歴史など多数の主役候補が居そうな厚みを感じる。大河ドラマの主人公が同じ人に偏ってしまうと、日本の歴史が浅く薄っぺらなものの様に感じられて悲しくなる。

過去の大河ドラマの記録を見ると、1963年の「花の生涯」に始まって今年で62作品のうち、戦国時代を扱ったものが25作品もある。毛利元就や伊達政宗が出ない戦国物はあり得ても、家康が出て来ない戦国物はあり得ないだろうからその全てに家康は顔を出しているはず、食傷気味にもなろうというものだ。二番目に多いのが幕末・明治維新で14作品。この二つに忠臣蔵、源平合戦を合わせると50作品で実に全体の8割にもなってしまう。

聖徳太子、中大兄皇子、桓武天皇、藤原道長など素材はいくらでもありそうなのに、そういう人達が取り上げられないのは何故か。時代が古いと史料も少なく、史実が明らかでない部分もあるから難しいのか。逆に時代があまりに近いと、まだ生存している関係者もいたりして差し障りもあるのかも知れない。最も新しい昭和の時代をテーマにした作品の主人公が女医であったり陸上選手であったりして政治色が薄いのはそうした配慮からだろう。

まあそんな事を言わずに、日曜の夜一献傾けながらほろ酔い気分で聞き流せばよいか。

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