私が週に四回テニスを楽しんでいるコートは市の西に位置する西公園の一画にある。その入り口に市と警察による二つの看板が立っていて、市の方は「一.ゴルフは危険ですので絶対にしないで下さい。一.犬のふんは必ず持ち帰って下さい」とあり、警察の看板には「近所迷惑となるため路上駐車は厳禁です」とある。
一つにまとめる事ができなかったのは公園内と周辺道路とで管轄が違うからなのだろう。私が違和感を持ったのは警察の方の看板だ。「路上駐車は控えましょう」とでも書いてあれば格別気にも留めなかった。警察が市民に向かって「厳禁です」などと命令する権利が法的に認められるのか気になる。どうしても駐車が許せなければ、道路交通法に則り一帯を駐車禁止に指定すれば良い。そうすればこんな命令口調の看板を立てる必要もなかった。
もし誰か不埒な人が看板を無視して駐車し、それで迷惑を蒙った住民が警察に通報したら、警察はどういう対応を取るのだろう。水戸黄門の様に「この看板が目に入らぬか」と言って刑罰を加えるのかな。それは冗談として、ゴルフや犬の糞など、路上駐車より遥かに悪質性が高く禁止すべき度合いの強い事項がお願い口調なのに、この温度差は何だろう。
恐らくは市には市民から色んな苦情が沢山来ていて、その対策に日頃頭を悩ましているという事情があるのだろう。片や警察には、敢えて苦情を言いに来る市民はあまりいないから、ついつい上から目線になってしまうのではないか。
法治国家と言いながら日本人がお上の独断に寛容なのは裏返せばお上への信頼が厚い事の証拠でもある。それは中国や西洋の支配層が貪欲であったのに対して江戸時代の武士が多分に禁欲的だった事が影響しているのではと思うのだがどうだろう。
道路交通法に基づく駐車禁止地区でなければ、「厳禁」という風に強制力を想起させる表現で警察が立看板を設置するころは正しく無い気がしますね https://jota.wiki/40HO4Zb そして、玉木さんが書いておられるように、そういう法律に基づかない「命令」みたいなものに、激しく反発しないのは、長い物には巻かれる、日本の悪いところ、なのでは、と感じます。
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