2025年2月18日火曜日

国際政治

 3年続いたウクライナでの戦争は、どうやらウクライナの要求は殆ど通らない状態で終わりそうだ。アメリカから梯子を外されればウクライナも為す術はなかろうし、EUがアメリカに替わって全面的に支援を継続する事もないだろうから、ウクライナは不本意な条件を飲むしかなさそうに思える。

トランプ大統領の「これ以上死者を見るのは忍びない」というのは尤もだし、損得で考えれば戦争は一部の武器商人が儲けるだけで、損ばかりだから辞めるに越した事はないが、こんな形で終わったら戦闘で命を落とした人や、我が家を瓦礫の山にされてしまった人達の気持ちはどうなるのだろう。

今から思うと、欧米はロシアとウクライナに戦争をさせて見たかったのではないだろうか。ロシアが攻め込んだのは2015年に結ばれたミンスク合意の不履行が原因かと思うが、欧米はもっと強くウクライナに履行を求めるべきではなかったか。ひょっとしたら「いざとなれば助けるから安心しろ」というサインを出してウクライナを強気にさせていたのではないかと疑う。

実は第二次大戦の発端となったナチスドイツによるポーランド侵攻も同じような構図だったらしい。独ソ不可侵条約が締結された時、両国は秘密議定書でポーランドの分割を画した。その事をルーズベルトは知りながら、ポーランドにそれを伝えず、むしろその議定書はバルト三国に関するものだと伝え、ポーランドを安心させ、強気にさせるように仕向けた。どうしてもヒトラーを悪者にしたい英米の強硬派がポーランドを敢えて犠牲にした訳だ。

東アジアでは尖閣諸島は安保条約の範囲内だと米国に言って貰って喜んでいる国があるが、本気にして浮かれ調子に乗ったりすると後で泣きを見る事になりかねない。国際政治にお人好しはいないから。

 

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