2019年11月5日火曜日

カルチャーラジオ


NHKのラジオ第二放送でカルチャーラジオという番組がある。毎晩八時半から九時まで歴史、芸術、文学、科学などの分野で識者が最新の話題や研究成果について話をする。NHKには色々文句を言いたい事が多々あるが、この番組は気に入っている。

テーマの選び方にセンスがあると思う。数年前文学の分野でボブ・ディランを取り上げていた。その時は内容があまり好みに合っていなかったので二三回だけ聴いて辞めてしまったが、その数か月後にボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞し、我慢してちゃんと聴いておけば良かったと後悔したものだ。

そして今年のノーベル賞、物理学賞を取った系外惑星の話はつい最近テーマになったものだし、それに前後してテーマとなったリチウムイオン電池はなんと吉野彰氏ご自身が講師を務められた。ノーベル賞受賞者が自分の声で話す番組などはそう滅多にあるものではない。これもそうと分かっていればもっと熱心に聴いたのに。覚えているのは、成功した研究の裏に何百もの失敗が隠れている事、技術的完成が必ずしも市場での成功を意味しない事、最近の電池は過充電しても寿命に影響がない事、などか。それまでは過充電を恐れて、ほぼ完全に放電するまで充電を控えていたが気にしなくて良いようだ。

系外惑星の話の時は最近の観測技術の凄さに驚いた。恒星の前を惑星が横切る時の僅かな光量の変化を捉えたり、惑星の引力による恒星の動きのドップラー効果の波長変化を捉えたり、信じられないような事が今は可能になっているのだと。
これらの放送はSDカードに録音して散歩のお供に聴いているのだが、思えば指の爪ほどの大きさのカードに昔ならカセットテープ何十本分もの録音が出来るのだから、技術の進歩は凡人の想像を超える凄いものだ。

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