週刊新潮8月31日号の「外務省がおもてなし『国会議員』夏の”外遊バカンス”に便宜供与」という記事には冷静でいられなかった。
議員が公務で外国を訪れる際の外務省(および現地公館)によるアテンドに関するルールに関し、オフィシャルには「便宜供与の対象を一週間前までに依頼のあった公務に限る」としながらも、別途作成したガイドラインでは「公務の合間の私用で、常識的な範囲ならOK」として、それが濫用につながっているとの事。「常識的な範囲」の常識が一般庶民と大いに異なるから、エッフェル塔の前でポーズを取ったり、公用車を使っての観光や土産の買い漁りをしたりするのである。
本来の仕事をしっかりやっての上ならそれも愛嬌だと笑って済ませられるが、「中国拘束2279日」という本を読んだら黙っていられなくなった。副題に「スパイにされた親中派日本人の記録」とあるように、些細な事でスパイの容疑を掛けられた著者が、強制連行され有罪判決を受け収監された時の様子が書かれている。そこに描かれる日本大使館の対応はひどい。
領事部長と一等書記官が面会には来たものの、日本人が不当な逮捕で困っているのにそれを助けようとする積極的姿勢が全く見られない。著者の「何という無責任、〇〇氏(本には実名あり)のこの誠意のなさには本当に呆れるばかりだった」という言葉に無念さが溢れている。
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