よっこらしょと一息ついて大きく深呼吸した1リットルの空気の中に、あの憎っくきプーチン大統領の吐いた息の分子が1万個も含まれているとしたらどうだろうか。プーチンの息という汚染物質を1万ベクレルも含む空気を吸うなんて、安心して息もできないと思われるに違いない。残念ながらこれは事実で、この例は原子・分子の数の多さを実感するための例として良く引き合いに出される。物理学を志す学生にはアインシュタインの息が、また場合によってはマリリン・モンローの吐いた息が例として使われたりする。
ChatGPTに聞いてみたが、一回の深呼吸で吸う量は1リットル、人間が一日で呼吸する空気の量が1~2万リットル、地球全体の大気が4,200億立法㎞である由。それを元に、22.4リットルの空気の中に分子が6×10の23乗個含まれている事を加味して計算すると、プーチン大統領がウクライナ侵攻を始めた去年の2月24日に吐いた息が、一年以上の期間で地球全体に拡散し、均質に混じりあったとして、右記の結果が得られる。それもたった一日の息で1万個だ。
放射性物質の量を表すベクレルという単位はまさにそんなレベルの話なのだ。ちなみに話題の処理水についてはトリチウムが12年半で半減する速度で放射性物質を出し、それが1秒間に10個測定されたという事は元のトリチウムは1リットルの中に10億個程度存在しているという事になる。
かほどに多い原子の数だが、9月3日付の読売新聞の編集手帳には「将棋の指し手は10の200乗通りあり、宇宙の原子の数より多い」とあった。将棋ファンの一人としてその奥深さを喧伝して貰えるのは有難いけれど、にわかには信じ難い話。その検証はまた日を改めて行う事にしよう。
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