「棺桶まで歩こう」(萬田緑平著)という本が売れているらしい。新聞の書評欄でそれを知り、早速市の図書館に予約を入れたら25人待ちの状態だった。仕方なく同じ著者の本を何冊か借りて読んでみた。「穏やかな死に医療はいらない」「家で死のう」「自宅で迎える本当に幸せな最期のとき」などである。
題名から推察されると思うが、著者は医師として数多くの末期ガンの患者を見送った経験から、治る見込みのない終末期の医療の在り方に疑問を感じ、患者や家族にとって本当の幸せは何かを考えて筆を執った。
令和5年度の国民医療費は総額が48兆915億円で一人当たりに換算すると年間38万6700円になるそうだ。これが75歳以上になると、一人当たり約95.3万円に昇るとか。一緒にテニスを楽しんでいる人の中には75歳以上の人も沢山いるが、皆さん元気で年間の医療費を10万円も使っているような人は見当たらない。その事を考えると、極く一部の人にべら棒な金額の医療費が使われていると考えざるを得ない。それが当人の幸せのために使われているのなら納得するが果たしてどうか。1秒でも長く心臓を動かし続けるためだけに、本人の苦痛は二の次にして体中に管を付けるような医療が本当にあるべき姿なのか。
著者は「治療の効果よりも治療の苦痛の方が上回ったら、その時が治療をやめて自宅に戻るチャンス」だと言う。家族と共に最期の時を楽しみ、かみしめるべきだと。和田秀樹著「80歳の壁」には「ガンは治療さえしなければ、最後の2~3か月以外は、いろいろな事ができます。」とあった。決してミスプリントではない。抗ガン剤で苦しむより、体の動く範囲で大いに楽しむべしと。その時「楽しむ」意思がしっかり残ってないといけないが。
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