前回は自衛隊員の採用がままならない事を話題にした。実態は我々の想像以上にひどい状況にあるように思える。2024年度の自衛官の数は定員(24.7万人)の90%弱の22万人、これは冷戦終結後で最小の人数だそうだ。しかし、もっと憂慮すべきなのはその内訳で、これを知った時はびっくりした。
自衛官の内訳は①最前線で活動する「士」②部隊の中核となる「曹」③曹士を指揮する「幹部」に分かれるが、この中で「士」は定員(5.3万人)の6割しかいない、つまり約3万人程度しかしないらしいのだ(2025年10月19日付けの読売新聞)。20万人を超える軍隊、と言っても最前線で戦うのはたったの3万人、これで大丈夫なのだろうか。隊員の待遇改善や募集年齢の引き上げなどが行われているらしいが、自衛隊内部からは「幹部ばかりが増え、階級インフレが進むだけだ」との冷ややかな声が聞こえるとか。
国家予算の中での軍事費の増強が進むが、武器や装備品をいくら揃えてもそれを実際に使う人がいなくてはどうしようもないではないか。日清戦争の時、清国は定遠や鎮遠などの軍艦を揃え、恐らく軍備では日本を上回っていたと思うが、それを使う兵士の質の差で日本に軍配が上がった。軍事費をヨーロッパ並みにという掛け声でGDPの3%まで軍事費を上げる予定だそうだが、豊富な軍備と足りない兵員でどう戦うのか、そのシミュレーションは出来ているのだろうか。日本がかつての清国の二の舞にならぬよう祈るばかりだ。
先日は1機200億円もする偵察用のグローバルホークが鳥取県沖で墜落した。その運用・維持費はアメリカに支払う技術支援費の1000億円を含め、20年で3500億円以上にも上るとか。税金の使い道として本当にこれで良いのか疑問が絶えない。
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