元日早々能登半島での大地震という驚きから始まった一年だった。普段会えない家族が集まって水入らずの団欒を過ごす筈だったろうに、愛する家族を亡くした悲しみは如何ばかりか、被災者の方々のお嘆きを思うと言葉もない。
世界を見渡すと戦争は一向に収まる気配を見せず、各地で現れた新しい指導者達は多くが型破りな個性派で先行きは予断を許さない。
年の瀬になって、賀状欠礼の喪中葉書が何枚かやって来る。その殆どがご両親を亡くしたとのお知らせだが、中に長男を亡くしたとの葉書があった。34歳、クモ膜下出血だったとある。32年前アメリカで知り合い、当時は家族ぐるみの付き合いをしていたのでまだ幼かったその子の姿が記憶に微かに残っている。我が子に先立たれる以上の悲しみがあろうか。
そんな中お陰様で当方、年末に近所で火事があった以外特に大きな事故もなく、大過なく過ごせた事を感謝する気持ちで一杯だ。そして個人的には何と言ってもこの連載からいくつかを抜粋して「トライアングル」として出版出来た事は最高の幸せだった。2007年7月に連載を始めて八百余編から百数十編を選ぶ作業も楽しかったが、出来上がった本を手にした時の喜びは格別だった。かつて勤務した会社のOBや同窓生やテニス仲間など、多くの知り合いにご購入頂き、有難い事に沢山の好評を頂いた。今井書店など地元の書店にも並んでいると思いますので、是非一度手に取って頂ければと思います。そしてご意見、ご感想を当社編集部までお寄せ頂けたらこれに勝る喜びはありません。お寄せ頂いたご意見には可能な限りご返事を差し上げたいと思います。
年末31日はお休みし、年明けの7日から再開致します。皆様、良い年をお迎え下さい。新しい年、全ての皆様に沢山の幸福が訪れますように!